キンコン西野、二択で悩んだら「ヤバいほうを選ぶ」

ライフ
マイナビウーマン
2019/06/20 17:10

2年前、めちゃくちゃ仕事ができる男の先輩が、キングコング・西野亮廣さんの著書『魔法のコンパス』を貸してくれた。その直後、先輩は会社員を辞めて起業した。

『魔法のコンパス』は先輩のようなThe・起業家向け! 意識の高いビジネスマン向け! みたいな気難しいビジネス書かと思っていたけど、読んでみたら全然ちがって驚いた。口語体ですらすら読めるし、私でもすぐに実践できるような働き方のヒントが詰まっている。

もしかすると先輩は、会社に残る私に、この本を通して「がんばれ」とエールを送ってくれたのかもしれない。

そんな『魔法のコンパス』が2019年5月に全文刷新され、文庫版『新・魔法のコンパス』として発売された。

ごく平凡な会社員として働く私たちマイナビウーマン編集部が、今気になるビジネスパーソンにインタビューする連載。今回は『新・魔法のコンパス』直筆サイン中の西野亮廣さんに、「これからの女性の働き方」というテーマで話を聞いてみた。

■今の時代、「遅い」が一番ヤバい

マイナビウーマン編集部のたかはしです。本日はよろしくお願いします!

はい、お願いします! なんかサインしながらで、すみません(笑)。

いえいえ、いま何部くらい終わったんですか?

今日だけで3500部くらいっす。

ひえ〜〜〜〜〜〜〜! 手が痙攣しそう!!

今日はあと1500部あるので、がんばります!

そんなお忙しいときにありがとうございます。今回は「これからの女性の働き方」について西野さんのお話を聞かせてください。

はい、お願いします! がんばります!

まずは『新・魔法のコンパス』にも書かれていた「複業」について。これからは女性もひとつの会社に依存するんじゃなくて、いろんな仕事に手を広げていくことが大事だと思うんですが、複業成功のコツってなんですか?

「自分の名前を売ること」ですね。

自分の名前!

自分がブランドになることが大事だと思います。メルカリで物を買うときも、同じ商品が同じ値段で並んでいたら「この人から買おう」って人で選ぶじゃないですか。今は「機能検索」ではくて、「人検索」の時代なんで、SNSとかオンラインサービスで名前を売っといたほうがいいと思います。

でも私みたいに根暗で、できるだけ人前に出ずにひっそり生きていきたいタイプの人間は、自分の名前や顔を出してインスタグラマーとか目指すのつらいです……。

それ以外だと「オンラインサロン」に参加するのもいいかもしれないですね。

オンラインサロンって、はあちゅうさんとかが運営している、サロンオーナーと目的や趣味嗜好が一致している人たちが集まる、有料のプラットフォーム……ですか?

それです。僕も今、会員数2万5千人くらいの『西野亮廣エンタメ研究所』というオンラインサロンを運営していて。

2万5千人!!!!

たとえば僕の個展を開くとき、空間設計は建築士、音楽制作は作曲家の方など、本業でもクリエイターとして活動しているサロンメンバーにお願いしています。もちろんギャランティをお支払いして動いてもらうわけですけど、僕にとってはすごく居心地がよくて。自分のつくりたい世界も、好き・嫌いも共有できているメンバーだから、時間のロスにもならないし。

お仕事を受注するメンバーにとっても、複業としてのスキルや経験値が広がりますし、何より自分の尊敬する西野さんと一緒に仕事できて自信にもつながりますよね。

まだ名の知れていない状態でサロンオーナーになるのはかなりハードルが高いし無理だと思うので、まずは自分と肌の合うサロンを見つけて、そこで活動してみるのがいいかもしれないですね。

たとえば私だったら、西野さんのサロンに入って、インタビューや文章を書く仕事があったら西野さんからお受けする……みたいな感じですかね?

そうです、そうです。普段から意思疎通ができていて、ある程度は趣味嗜好が合う人同士だとスピードが速いので、オーナー側としても依頼しやすいんですよね。完全に外注だと、「意見のすり合わせ」から始めなきゃいけないじゃないですか。なので、「サロン内に外注する」が一番好きですね、僕は。

たしかに、趣味嗜好や目的がちがう人同士だと、プロジェクトのスピードも遅くなりがちかも……。

今の時代、「遅い」が一番ヤバいですからね。

身に覚えがありすぎる!

いやほんとに、一番ヤバいです(笑)。

■二択で悩んだら「ヤバいほう」を選ぶべき

最近の私の悩みなんですけど、20代後半になってから「転職するか、しないか」「結婚するか、しないか」みたいな人生の分岐点が急に増えはじめたんです。

あ〜たしかに、そうですよね。

いつもすごく悩んで選択するんですけど「これで本当によかったのかな?」とまた悩んでしまって(笑)。西野さんだったら、何を基準に選びますか?

僕だったら「ヤバいほう」を選びます。

ヤバいほう!?

「こっちを選んだら死ぬだろうな」というほうに賭けます(笑)。そうすると絶対がんばらないといけないので、成長率が上がる。時間は、1日24時間、全員に等しくあるので、「成長率が上がるほう」を常に選んだほうがよくないっすか?

そう言われるとそんな気もしてきます。西野さんは、今までだとどんな「ヤバい選択」をしましたか?

今、美術館を建設してるんですけど、資金の見積もりが最初は3億円だったんですよ。で、あれとこれとこれを足して……って考えたら見積もりが15億円になってしまって(笑)。

5倍になってる!!!!

3億円のままで建設するか、がんばって15億円集めるか。で、僕はヤバいほうを選ぶことを決めているから、これは二択問題ではなくて、一択問題です。もちろん15億円を選んだんですよ(笑)。15億円のものを買おうと思ったら、税金ウンヌンカンヌンが足されて、20億円以上はしそうじゃないですか? そうすると、これから何をするべきかが見えてくる。有限の時間を切り売りしているTVタレントとしてのギャランティだと絶対に支払えないから、まずは「レギュラー番組を増やさない」という決断がくだる。

やることが取捨選択できるようになるんですね。

15億円集めるって決まったときは「やべえ死にたい!」「15億円ってどうやって用意するの!?」って会議をしたんですけど、それはそれでおもしろかったですよ。ここまでしないと「15億円を用意しなきゃいけない」って問題が自分の人生に降りかかることは絶対なかったので。

でも私の場合「ヤバいほうを選ぶ」となると心配になっちゃうというか……。まわりの人と同じじゃないことに不安を感じてしまうんです。その不安を解消するにはどうしたらいいんでしょう?

あ〜、そっか……。いや、でもそうですよね。僕みたいな仕事だと、大変なほうを選んだほうがネタになって、大きい利益が出るってわかってるからできますけど、そうじゃないときはどうすればいいんだって話ですよね。うーん、それは……

それは……?

酔っ払ってみるしかないと思います。

酔っ払う!?

お酒で酔っ払っているときって、判断をまちがえるじゃないですか(笑)。でも、その「まちがい」というのは、「世間」目線では「まちがい」ですが、「自分の本能」目線だと「正解」になる。自分の本能から生まれた力のほうが粘りがあるので、本能の奴隷になったほうがいいと思います。なので、酔って気持ちが大きくなって「もうこれで行っちゃおう!」って判断するのが一番いいかもしれないです。知らないですけど。

な、なるほど……。次に何か判断するときは、ハイボール片手に考えてみます……!

■やりたいことがなければ「とにかく動く!」

今後、西野さんがしてみたい仕事って何かありますか?

ロボットですね。

ロボット!?

スター・ウォーズにも出てくるようなお手伝いロボットを美術館に置きたいんです。昔僕が描いた絵本『Zip&Candy』にロボットが出てくるんですけど、それを再現してあげたら美術館のお客さんは喜んでくれるだろうなって。お手伝いもしてくれるし、フォトジェニックだし、美術品としても価値がありますし。

なるほど、おもしろそうですね。美術館の雰囲気もガラッと変わりそう。

あとは巨大な時計台も作りますし、映画もやりますし、エッフェル塔で個展もします!

夢が広がりますね! そういう「やりたいこと」ってどうやったら見つかるんですか?

うーん、僕の場合は普通に生きていたらどんどん見つかっていますね……。

編集部で私の隣の席にいるさちこはいつも「やりたいことなんてない!」って嘆いていて、さちこ以外にもやりたい仕事が見つからなくて悩んでいる友人が多いんです。

そう言われると、たしかにいますよね。でも逆に言うと、何か行動しないと入ってくる情報は変わらないから、やりたいことも何も見つからないと思うんですよ。

それはたしかに……。

どこかに行ってロボットに出会えたら「今、こんなロボットがあるんだ!」って気づけたりする。僕だってロボットの作り方を知ってるわけじゃないけど、「ロボット作りたい!」って言っていればどこかでロボットを作れる人とつながれるかもしれないですよね。

じゃあまずはいろんなところに出向いて、いろんな人とかかわってみることが大事なんですね。

そうですね。あとは月並みですけど、モチベーションって結局は「結果」がもたらしてくれるものだと思っていて。いきなりモチベーションがわくことってないじゃないですか。だからそのために、仕事でも趣味でも何かちっちゃい「結果」を出して、いろんな人が喜んでくれたとき、ようやくムクムクとモチベーションが上がってくるものだと思うんです。

たしかに、人から褒めてもらえたり喜んでもらえたりすると「もっとがんばろう!」と思えます。

まずはとにかく動くこと。で、飽きたらすぐにやめちゃいましょう。

やめてもいいんですね!

ギャンブルが強い人の共通点って知ってます? 「やめるのがうまい人」です。なので、「やめるセンス」を養ったほうがいいと思います。「やめるセンス」というのは、やめた人にしか養えない。もっとも、僕はギャンブルを一度もやったことがないので、完全に想像で喋ってますけど。

おい!

今まで「今日の会議をどうやって乗り切るか」「どうすれば上司に評価されるか」ということばかり考えていたし、さらにアラサー女性特有の「どこかに転職しなきゃ」「早く結婚しなきゃ」みたいな焦りが加わって、がんじがらめになっていた。

だけど西野さんの話を聞いて、もっと広い視野で、今後の働き方を考えることができた。今やるべきことも、やらなくていいことも見えてきた気がする。

取材が終わっても、まだまだ西野さんのサイン業務は終わらない。この本がいろんな人の手に届いて、自分らしい働き方のヒントを見つけられたらいいな。

『新・魔法のコンパス』/西野亮廣 著(KADOKAWA)

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(取材・文:高橋千里/マイナビウーマン編集部、撮影:洞澤佐智子)

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