ツンデ霊1

ある日のこと、一人暮らしの俺は、背後から視線を感じた。

もちろん、部屋には彼の他には誰もいない。

まあ気のせいだろう。そう思ってその日は、その事を忘れて眠ってしまった。


ところがだ。その日から毎日のように、

部屋の中で誰かに見つめられているような感覚に襲われるようになった。


俺の部屋はアパートの3階なので、外から覗かれているとは考えにくい。

一度などは部屋のどこかに誰かが隠れているのではないかと思い、

家捜しをしてもみたが、もちろんその努力は無駄だった。

誰かが潜んでいるどころが、覗き穴の一つも見つからなかったのだ。


心霊現象など信じない俺は、自分の精神を疑った。

最近仕事で急がしかったせいで、疲れているのだろうか? 

それとも嫌な上司と生意気で無能な後輩に挟まれて、病んでいるのだろうか? 

それで、ありもしない視線を感じてしまうのだろうか……。


そんな考えが俺の頭をよぎりだしたある日、ついに俺は見てしまったのだ。


それはいつもにも増して疲れて帰宅し、布団の無いコタツに寝転んだ時の事だった。

いつものように感じる視線。

だがその先には誰も居ない。家を出たときに持ってきた、古臭くてでかいタンスがあるだけだ。


……いや、そうじゃなかった。


タンスと壁の、ほんの僅かな数mmの隙間に……こちらを凝視している女の姿が。






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