実話B全てを置いて家をでる

「いっそのこと、全部手放してみる?」

先生が言いたかったのは、学校も家庭もネット社会も全て一旦離れてみないか?ってこと。


そんな事考えたこともなかったし、何のためにそこまでしなきゃいけないのかも分からなかったから、いや、そこまではいいですって断った。


でも、その日から自分からA社の人に連絡を取ることをやめたら、なんだか少し楽になった。たまに、勧誘ちゃんとやってるか?っていうメールが来てたけど、華麗に無視した。(社会人としては絶対にやっちゃいけない)


何か買いたいものもないし、家は実家だし、別にお金もいらなかったから。
(この時の両親の心労や金銭的な負担を考えたら、本当に頭が上がらない。)



23歳の夏。
今まであまり交流もなかったけど、父親の妹がタイに住んでいて、いつでも遊びにおいでと言ってくれた。たぶん、父親が相談したんだと思う。

でも、海外旅行なんかしたことないし、興味もない。
家でじっとしているだけの私に、そんな大それたことができるはずもなく、また断った。


その頃、ネット社会から遠ざかった事で、少し私の精神状態は落ち着いていたので、夜人の少ない時間ならコンビニくらい行けるようになっていた。
たまに母親と一緒に話しながらコンビニまで散歩するのが少し楽しかった気もする。

しかし、その日は偶然同級生の親と出会ってしまった。
いつもかつも声の大きい近所でも有名なスピーカーおばさん。


「あら〜〜〜久しぶりじゃない!また痩せた??ちゃんと食べてる?」


母は私に気を遣って、先にレジ済ませといてと逃がしてくれたけど、
おばさんの話は、全部聞こえてた。

「うちの子、やっと今年大学卒業するのよ〜(医学部は6年だから)。まぁ国立で助かったけど、お弁当も毎日大変でね〜。お宅はいいじゃない!人生長いんだからゆっくりさせてあげなさいよ!」


嫌味なのか何なのか。
自分のことなのに、ムカつくと言う感情はなく、ただただ母に申し訳ない気持ちだった。
でも、その時、なんとなく家を出なきゃいけないっていう衝動に駆られた。


コンビニからの帰り道。
あまり深く考えず、何の目的も、計画もなく、お金もないのに

「私、家を出てみたい…」と母親に話した。
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