じいちゃん


おじいちゃんの具合が悪くなった。

4月という仕事の多忙な月だが会社を休み、130km車を走らせ尾鷲の病院に向かった。


ばあちゃんのお葬式の時はまだまだ元気だったじいちゃんが痩せ衰え別人になっていた。


意識はあるが言葉も聞き取れにくい。
体には数々の配線とチューブ。


至るところにガンが転移して痛みがあるらしい。

しかし、目はしっかり見開いている。いつものじいちゃんだった。


小さい頃、夏休みになると一人汽車に揺られ遊びにきた。

じいちゃんはいつも自転車で迎えにきてくれた。

贅沢を嫌い、時給自足の生活をして本当に真面目な「昔の人」

ご飯の時も皆が食べ残したモノでササッと済ます。


じいちゃん好きな食べモノは何っ?


っと聞くと


よく冷えたトマトに砂糖をかけたやつ



っと自慢気に話をしてたのを思い出した


20代後半に当時付き合ってた彼女を連れて遊びにいった。


じいちゃんは

お前が孫で一番早く結婚すると思ったが…

フラフラせんと早く子供を作れ

と初めて説教されたのを思い出した。


ばあちゃんの葬式の時、
お前は「くきづけ」(ずいきいもの茎の漬物)昔から好きやで帰り持たしたんでな。


とか、いろんな事が頭をよぎった。



見舞いに行ったが姿を見るのがつらかった。

頑張ってと口は言うが心の中で、

これが多分最後やな…今までありがとう

と最後の別れをした。


その後少し泣いた。
我慢のできない涙が勝手に流れてきた。

と思ったら声を上げて泣いてしまった。


帰る時、何か言いたそうにしていたので手帳とペンを渡して

ここに書いてって言うと仰向けのままスラスラっと…





「私の最後ではないか、すべてが終るような気がする…(略)…」


後半のいくつかの字は読めなかった。でもプライドの高いじいちゃんに

「なんて書いてあんの?」
なんて聞けなかった。
聞いてはいけないと思った。


ってかそう考える自分もじいちゃんに似てるんかなぁ
と思うと血がつながってるんやなぁと思った。


99歳


あと何日生きられるか…

次会うときは冷たくなってるんだろうなぁ。

失礼かも分からないけどこんなに長生きして見守ってくれたんだ。
苦しむ姿はもう見たくないよ。


私はあなたを尊敬し、あなたの孫に生まれた事を誇りに思います。

ありがとう…




帰りにおばあちゃんの仏さんに手を合わせに行った。


ばあちゃんの写真が笑っていた。



いっつも働いてばっかやったで、おいしい物を天国で二人で食べてや

じいちゃんいったらまたけんかできるで


っと手を合わせた。



帰り道。




やっぱり
じいちゃん長生きしてや
なんで年寄りの病気は治らんのや


っと心の底から怒りがこみあげてきた。


カチカチカチ


車のワイパーをつけたが視界は家まで悪いままでした。


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