19章−1 2度目のデビュー

19章 2度目のデビュー




早速その日の夜に滝谷さんに連絡を入れた





「お久しぶりです」






「松井くん、どうした?」






「実はバンドでお話を頂きまして、そっちでやろうと思います。すいません。」






少し沈黙があった後





「1年待ってくれないか?」





と滝谷さんは僕に言った。





焦っていた僕には1年はとんでもなく長い時間に感じた。






会社にとっての1年と、アーティストの1年は同じ1年でも重みが違う






1年のうちにアーティストとしての価値はどんどん老け込んでしまう






そう考えていた。






「滝谷さん、すいません。1年長すぎます。僕はバンドで頑張ってみます」






「・・・」






「わかった。私はソロで売り出したかった」



と言い、電話を切った







こうして僕は大手事務所を断り、松永さん牧山さんのわけわかんないおばさん2人と
国際フォーラムをパンパンにする事を目標に戦う事になった。







2人はまず僕に住む部屋を与えてくれた





念願のマイホーム!



やったぜ!




渋谷のドンキホーテを少し上がったところにあるオートロックのマンション





15畳程のだだっ広いワンルーム
防音設備まで整った部屋で生活する事になった。






深海だった僕の毎日は嬉しさで天空へさえ届きそうだった。






そして、久しぶりに母に連絡をした。





「久しぶり!実はさ、事務所やめてさ。で、新しいとこでやる事にしたから引っ越しをしたよ」








何も知らない母は驚いた様子で






「そうなの! 連絡くらいよこしなさい!」




と声を張ったが、その声は嬉しそうだった。

久しぶりの話は尽きず、




柔道に行っていた事、


ローディーをしていた事、



事務所をやめた事、


住む場所がなかった事、


バンドとして新しく始めるという事、



今までの経緯を事細かに伝えた




「じゃあ次のライブの時に新しい部屋に遊びにいくね!」



そう約束し、母は電話を切った。


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