15章 アクアリウムスターズ

15章  アクアリウムスターズ




長い夜を越え、鈍く朝が訪れると僕はシャッターを開けた






快晴。




子供らの声や、学生、犬を連れた人、全てのものがキラキラと映る




それと比べ僕といえば、昨日家を失い、寝袋を這い出た人間。




気分は最悪だ。





絶望色の空の下を歩き、スタジオへと向かう





初めてのスタジオは池尻大橋の古いスタジオ
古いスタジオの匂いはガレージの匂いと重なり、気分を落とした







しばらくすると




歩君
アキヒロ
かっちゃん
が揃ってやってきた




バンド用の新しい曲を書いてきたので、譜面をみんなに渡す





新しく創った曲は、




by東京レイン





という曲だった





降りしきる雨が、僕自身にエールを贈ってくれるという曲





エレキギターを背負って、歌いだす






「♪shinydays引き合っていた
雨が光を
光が冷たい雨を
rainydaysうつむいていた
しかめっ面の僕に1粒の雨が言った
繋いだ日々なら無駄じゃない未来を創るんだ
by東京レイン」






自分に言い聞かせるような歌



負けないように言い聞かせるような歌





そんな歌を、吐き出すように歌い上げる






そしてドラムが入り、ベース、ギターが続く
そして 






by東京レイン=@





が完成した





演奏が終わると同時に






「かっけー!」





歩君が叫ぶ






「すごいね!」






ピカピカのベースを背負いながらかっちゃんも続く






「俺もこれいいと思う!」





クールなアキヒロが珍しく声を張った






こうして新バンド






アクアリウムスターズ





  が誕生した。






スタジオが終わると、近くのルノアールで、アクアリウムスターズのこれからを話し合う







「俺さ、このバンドを真剣にやってみたいんだ」







「・・・」






「俺もやってみるよ」




かっちゃんが最初に返事をしてくれた






「俺もやるよ。でもやるなら真剣にやりたい」





アキヒロが続いてくれた





最後まで悩んでいたのは歩君だった






「俺、会社あるからみんなに迷惑かけるよ・・・」





「じゃあとりあえず3人でやって、歩君はサポートとして手伝ってよ」





「わかった・・・」






だが次のスタジオで歩君は




会社のボーナス全額をスラムダンクし、



50万はするであろう黒のレスポールギターを持って来た。





そして僕らに



「俺もやる!ギター買っちゃったし、もう戻れねー!」



嬉しかった





事務所を解雇され2ヶ月、僕は新しく バンド=@を手に入れた。






そしてスタジオ中に 



by東京レイン=@




が轟
とどろ
いた。




東京に来てから3回目の冬を迎えた24才、新たなスタート。



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