「伝える力」を鍛える7つのトレーニング方法

ライフ
マイナビウーマン
2020/09/17 09:10

話が伝わらない時に、「なぜそうなるの?」「その根拠は何?」「で、何が言いたいわけ?」などと質問する日本人は極めて少ないです。その結果、「伝える力」が伸びづらくなってしまいます。

相手に伝わって初めてコミュニケーションの効果が上がります。

そこで今回は、そのための「コツ」と具体的な「伝える力」を身に付けるためのトレーニング方法を紹介します。

■「伝える力」とは何か?

まずは「伝える力」とはどういうことなのか、解説していきます。

◇「伝える力」とは「理解してもらう力」

「伝える」の漢字は、人偏に云(い)う、つまり「人に云う」と書きます。

「いつ」「どこで」「誰に」「何を」「どのように」言うかによって、伝わり方も変わってきます。そのため、伝わらない理由や原因はあまりにも多いといえます。

その中で「伝える力」とは、相手の知りたいところに焦点を絞って、自分と違う相手に分かってもらう、理解してもらうことを目的としたコミュニケーションの力となります。

ちなみに「理解(リカイ)」をカタカナ・ひらがなで書いて、反対から読むとどうなりますか? ……そうです。「怒り(イカリ)」になります。

相手を怒らせないで、良好な関係を築くためにも、「伝える力」は、現代社会において不可欠なコミュニケーションの力なのです。

◇「伝える力がある」とはどんな人?

では、「伝える力がある」とは一体どんな人を指すのでしょうか。

私は、以下のようなことができる人を、「伝える力がある人」と呼んでいます。

・相手の頭脳に論理的に働きかけ、内容を正確に分かりやすく伝えることができる

・自尊感情を守りつつ相手の心(感情面)にも配慮し、納得が得られるよう伝えることができる

・頭脳と感情に働きかけながら、「頭心(ズシン)」とくる伝え方ができる

◇「伝える力」はどんな場面でも必要とされる

「伝える力が必要とされない場面はない!」と言って良いでしょう。

人はそれぞれ、性格や価値観、趣味・趣向に至るまで全てが違います。まして仕事の専門性や特性、組織の特徴やメリット・デメリットなど、この世に「違い」が存在する限り永遠に「伝える力」は必要とされるのです。

その上で、「伝える力」が必要とされる場面を例に挙げるとすると、以下などが代表的です。

・金融関係での「アカウンタビリティー」(説明責任)

・医療業界での「インフォームドコンセント」(医者と患者の十分な情報を得た上での合意)

・政治の場面での「マニフェスト」(方針や意図などを広く伝えるための文書・演説・声明文)

しかしインターネット時代の現代において、もはや業界の境界線はとっくに越えて、「知りたがる権利」に対してきちんと「伝える力」が当たり前のように求められています。

また、SNSの出現によって、口頭のコミュニケーションに加えて、メールなどでの文章や写真、イラストなどによるコミュニケーションも日々進化しています。

当然この時にも、伝え方、つまり「伝える力」が重要なポイントとなってくるといえるでしょう。

「伝える力」を身に付けることで得られるメリット

「伝える力」を身に付けることで、以下のようなメリットが得られると考えられます。

1.情報伝達効率が良くなるので、時間とコストの削減につながる

2.考え方や必要な情報が分かりやすいので、相手に感謝・信頼されて評価も高まる

3.周囲の人間との信頼関係が形成され、協力の土台が整う

4.「この人なら安心」と、お客様からの信頼が得られる

以上のようなメリットを得ることができます。

冒頭でもお伝えした通り、「伝える力」とは、相手の知りたいところに焦点を絞って、自分と違う相手に分かってもらう、理解してもらうことを目的としたコミュニケーションの力のこと。

「伝える力」があるということは、相手への想像力があるということでもあるため、相手を思いやった誠実な姿勢が評価や信頼獲得というメリットにもつながるのです。

■「伝える力」を鍛える7つのトレーニング方法

ここでは「伝える力」を鍛える7つのトレーニングとそのポイントについて、語呂合わせ「せつめいよこれ」というかたちでそれぞれ紹介していきます。

◇(1)「せ」:整理して順序良く配列するトレーニング

ここでは、トレーニング方法が2つあります。

☆主題を明確にするトレーニング

1つ目は、主題を明確にするトレーニングです。

主題が明確になっていなければ、当然自分以外の相手に、自分の考えや必要な情報を正確に分かりやすく伝えることはできません。

そこで、「自分自身が一言で何を伝えたいのか?」を簡潔かつ具体的、そして自分自身の言葉で、20字以内で表現できるようにするのが大切です。

主題を明確に表現するためのコツは、「〜すれば〜なる」あるいは「〜することで〜できる」という伝え方をすることです。

☆話の展開トレーニング

2つ目は、話しの展開トレーニングです。

・「〜とは、なぜ〜、どのように〜」の展開法

・「序論」→「本論」→「結論」の3部構成、あるいは「起・承・転・結」の4部構成

上記のことを意識して、話の展開力を身に付けていきましょう。

◇(2)「つ」:強めの箇所をはっきり打ち出すトレーニング

特に日本人の伝え方の傾向として、淡々と同じリズムで伝えるというのが代表的です。

「特にこのポイントが重要です」「もしもこれが無かったとしたならば、どうなるでしょう」など、反復や拡大、逆説を使って「強調点・山場」を最大限に強調するトレーニングを行いましょう。

◇(3)「め」:目配りで反応を確かめるトレーニング

「伝える力」に欠かせないコミュニケーションのスキルとして、アイコンタクトがあります。

目で言葉を伝えて、目で相手の反応をキャッチする! つまり、「双方向のコミュニケーション」を意識することがより良く伝わる結果に結びつきます。

アイコンタクトのトレーニングとしては、相手の両目見ないで、まずは「自分の左目で相手の左目を見る」ようにします。

なぜかというと、左目は感性を司る「右脳」とつながっているので、左目を合わせることで相手に「感じの良さ」を伝えることができるからです。

この右脳の作用により、効果的で感じの良いアイコンタクトができます。

◇(4)「い」:一時に一事の原則「あれもこれも」にならないトレーニング

伝える側の心理としては「少しでも情報は多い方が伝わるであろう」「関連情報としてさまざま提示してあげた方が伝わるだろう」という考えが先行しがちです。

しかし、結論から言うと、それはかえって逆効果です。

たとえてみれば、幕の内弁当のようなもので、「具は多いけれど、印象に残らない!」のです。

簡潔に話し、ポイントを絞る伝え方のトレーニングとしては、短文で区切って「。」の多い文章で話すということ。

そして、「〜について3つお伝えいたします!」という「3点法」を取り入れると効果的です。

◇(5)「よ」:話の予告をすることで見通しを示すトレーニング

何かを伝える時、「今日の目的は○○するようになることです!」と話の目的やゴールを示すと、見通しがついて聞き手は安心して話を聞く体勢が整います。

そうすることで、結果的に伝わる確率も高まります。

話に限らず、先の見通しが見えないと、人間は「不安感」を抱きます。こうなると、伝わるものまで伝わらない状態になり兼ねません。

そのため、相手に安心感を持って耳を傾けてもらえるよう、話の予告をする意識付けをしていきましょう。

◇(6)「こ」:言葉の吟味をするトレーニング

専門用語は、専門家同士に伝えるのであれば話が早いかもしれません。

しかし、相手が専門家でない時に使ってしまっては、かえって聞き手を混乱させて、その後の内容も全く伝わらなくなってしまします。

したがって、何かを「誰か」に伝える時には「相手は誰か?」と自問自答し、相手に理解できる言葉選びになっているかどうか、事前検証を行うトレーニングをしておくと良いでしょう。

◇(7)「れ」:例を挙げて伝えるトレーニング

日本人の伝え方は「解説調」といって、淡々と、立板に水のごとく、理路整然と、しかも同じリズムで伝える傾向がありました。

こうなると、聞き手からすると、まるで子守唄のようにしか聞こえず、結果的に伝わりません。

しかし、具体的な事例で伝えると、聞き手は自分たちの問題として共感して聞くことができ、理解度も高まるのです。

「例えば、〜」「身近な事例を申し上げますと、〜」というフレーズがさっと出るまで、実際の伝える場面でこのフレーズをどんどん使ってみて、口癖のようにすることです。

そうすることで、普段から問題意識を持ったり、事例を発見したりする習慣も身に付くため、一石二鳥です。

「伝える力」とは誠意の結晶

情報を伝達したり、共有したりすることは毎日のように必要になってきます。

ちょっとした連絡や相談にしても、その内容をどのように伝えるかには、さまざまな技術も必要になってきます。

今回は「せつめいよこれ」という伝える力を鍛える7つのトレーニングとそのポイントを紹介しました。

相手に分かってもらう努力と工夫を「誠意」と呼びます。

相手とのコミュニケーションをより円滑にするためにも、ぜひ誠意ある伝え方を身に付けてみてください。

(櫻井弘)

※画像はイメージです

GRP BLOGGRPブログ

このコラムが更新されると
自動的にメールでお知らせします
※一部の携帯/PCでは購読頂けません