診察室の外でも人を笑顔にしたい。産婦人科医のご褒美とは

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マイナビウーマン
2019/10/08 19:10

女性のしなやかキャリアをサポートするキャリアカウンセラー・舛廣純子さんが、さまざまな働き方をする女性たちのご褒美を探る連載【私のご褒美ギフト】。

今回は、産婦人科医として勤めながら大学院にも進学し、性教育の啓発活動、執筆、家事育児と、パワフルな毎日を送る、えんみちゃんこと遠見才希子さん(35歳)を取材しました。

遠見才希子さん(35歳)

産婦人科医

医学部在学中から、「えんみちゃん」のニックネームで活動をはじめ15年、延べ700回以上、性教育講演を続け、全国の中高生に大きな影響を与える。総合病院勤務を経て、現在は産婦人科の非常勤勤務をしながら、大学院に通い、性教育講演も精力的に行う。著書に『ひとりじゃない 自分の心と体を大切にするって?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。

■「たくさんの人を笑顔にする産婦人科医」を目指して

産婦人科医として勤務しながら、全国の中高校生に向け、自分や友だちの体験談などを交えて本音で性について語る性教育講演を続けている遠見さん。「若者は寂しいからセックスする」という性教育の恩師の言葉に、居場所を求めて恋愛で寂しさを埋めていた10代の自分が重なり、はじめた活動です。

講演後、性の悩みを打ち明けに来てくれる生徒と話すたび、「傷つく若者をひとりでも多く減らしたい」という気持ちは強くなり、今も「診察室の外にも出て発信する医師」であり続けています。

激務だった総合病院勤務の7年間、新しい命の誕生に立ち会える毎日に天職と思えるほどの充実感を感じていたとのこと。ただ、ご自身が不妊治療を続けるにあたり、働き方を変え、大学院で学びながら、非常勤で勤務し、講演や執筆活動をしていく柔軟なワークスタイルを実践してきました。

出産を経て、辛かった不妊治療も「産婦人科医としても貴重な経験でした」と振り返る遠見さん。大学院で研究中の中絶と性暴力についても「自分の体は自分で決める権利があります。安全で満足な性生活を誰もが送れるようにこれからも研究し、発信し続けていきます」とすべての時間が、「たくさんの人を笑顔にする産婦人科医」という遠見さんの夢につながっています。

■祖母の味である「鯛めし弁当」が出張でのご褒美に

産婦人科の勤務、講演、執筆や取材、大学院、育児と、本当にタフなスケジュールを日々送る遠見さん。そんな遠見さんのご褒美は、ひとり出張に向かう際にわざわざ小田原駅で買う、小田原名産の東華軒の鯛めし弁当。

「小さいころ、多忙だった歯科医の母に代わって我が家の食卓はいつも祖母の手料理でした。その祖母が遠出したときに遠回りしてもお土産に買ってきてくれたのがこの鯛めし弁当で、子どものころの私には特別な日のご馳走だった」という遠見さん。今食べても童心にかえることができる味で癒されるとのこと。

「鯛めしがぎっしり入っていて、本当においしい。子どものころは箸休めのおかずはおばあちゃんに食べてもらっていましたが、今は箸休めのよさもわかるようなりましたね。今度は私が娘に買っていけたら」と母親の顔ものぞかせます。

多忙な日々を送る遠見さんにとって、ひとり車窓に向かって食べるその時間も、おばあさまの思い出の味も、ほっとするご褒美のひとときなのでしょうね。

(取材・文:舛廣純子、イラスト:ヤベミユキ)

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