新郎新婦を護衛するバイトをやらない?

高校の時やった超短期アルバイト話。

割りのいいバイトがあるぜと先輩に言われ、俺と他数人は二つ返事で了承。
ブライダルスタッフである先輩がどうして俺たちラグビー部員を誘うのか、
いまいち不明だったが特に気にしなかった。力仕事でもあるんだろうと。

当日、チーフっぽい黒木瞳似のおばさんより仕事の説明。
何十枚もの人物写真を見せられる。

俺「…何すか?この人達」

瞳「今回の御両家の婚礼を、快く思わない方々です。
もし現れたら……タックルとかで、ヨロシクね!(はあと)」


ホンマに来るとは思わなんだ、18の冬。今となってはいい思い出だ。
ジェットストリームアタックを6人がかりでやったりしたっけな……


式はいわゆる「身内だけで慎ましく」ってやつで、20〜30名の小規模なもんだった。
事情は詳しくは聞かされなかったが、
先輩曰く「奪還婚」で、新婦側の親族が強烈に反対してたらしい。
多分、両家とも結構な資産家だと思う。
何故なら撹乱の為か、大部屋を幾つも抑えてたから。


式が始まって少しすると、高級車に乗ったオッサンオバサン連中が押し掛けて来た。
ヤクザ…ではないと思う。
少なくとも見た目は普通だった。

「会場はどこだ。通せ」
「では招待状を」
「我々は親戚の者だ」
「お引き取り下さい」

前半は正規のスタッフがやりあってて、俺達の出番はなかったが
後半、どんどん人数が増えて場が混乱してくると、徐々に前線が押し込まれてきた。


俺達の持ち場は会場の扉の真ん前、つまり最終防衛ラインであり
終盤は頭に血の昇った連中がどさくさ紛れに切り込んできたが、なんとか死守した。

一人、若僧がスタッフ用の搬入扉から会場に侵入しかけてたんだが
ギリギリで気づいたラグビー部総員によるジェットストリームアタックをくらいボロ雑巾みたいになってた。


結局、会場は守りきった…が、この話にはオチがあった。
実はこの式自体、囮としての偽装式で新郎新婦はもちろん親族も偽物。
本物は遥か遠方で同時刻にしっかり式を挙げていた。

ちなみに、偽親族の中で唯一新婦の父親だけは本物で、
囮役を努める為に娘の結婚に立ち会うことを諦めた、漢の中の漢。
テレビ電話で新婦と話ながら泣き笑いしてた。

以上、高校時代の思い出話でした。



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