その15


「約束、覚えてますよね?」



体育館の入り口にいたトムラを見つけた。




「まさか優勝するとはなー。約束はもちろん覚えてるけど、今日中にやれよ」





ほんと憎まれ口ばっかり。





俺はすぐに実習棟に向かって、閉会式も出ずに作業に取り掛かった。







「ギリギリやったなぁー」





タケフミがレポートを書きながら言う。







「だな。

つか、なんでサッカーで一回戦負けだったお前まで恩恵受けてんだよ!」








「まぁまぁ、旅は道連れって言うやんか」






なんかちょっと違くないか。










2人で黙々とレポートを書き上げていると、廊下から複数の女子の声が聞こえる。







「早く行きなよー」







「わかった、頑張ってみる」







ドアが開いて








そこには見覚えのあるような女の子が入ってきて、こっちに向かってきた。









「バスケお疲れ様でした。
すごくカッコよかったです。」






「あ、ありがとう。なんとか勝ててよかったよ」






わざわざそんな事言いにきてくれるなんて、バスケ効果すげーな。






でもなんで?







少しの沈黙の後








「すみません!メアド教えてください!」








ぽかーん






「え、、俺の?」





隣のタケフミではなく、恐らく俺に言ってるに間違いない、、、タブン。








「はい、良ければ‥ですが。。」







これってもしかして⁈






と、なんかドキッとした。




高校の時に、知らないクラスの女子から教科書貸してくれとか言われた時以来のドキドキ。





別に断る理由もなく交換した。





「ありがとうございます!」






そう言って足早に出ていった。






「きゃーー!」


と女子達の声がこっちにまで聞こえてきて、こっちが恥ずかしくなる。





あの子は確か



髪が短くなってわからなかったけど



歓迎会の時にこっちを見ていた1年だった。
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