大沢坂峠(5)




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大沢坂
(おさざか) (5)







新鬼越池
から南を望む。
黄矢印:「鬼越坂」。赤矢印:「大沢坂峠」。
中央の丘は「燧掘(かどほり)山」




大沢坂峠




大沢坂峠 
賢治詩碑

峠道は現在整備中で、
詩碑も、ごらんのとおり
これから台などを整えて
きれいにするのでしょう。



 眠らう眠らうとあせりながら
 つめたい汗と熱のまゝ
 時計は四時をさしてゐる

 わたくしはひとごとのやうに
 きのふの四時のわたくしを羨む
 あゝあのころは
 わたくしは汗も痛みも忘れ
 二十の軽い心躯にかへり
 セピヤいろした木立を縫って
 きれいな初冬の空気のなかを
 石切たちの一むれと
 大沢坂峠をのぼってゐた


宮沢賢治『疾中』詩集より〔眠らう眠らうとあせりながら〕〔下書稿(二)〕



 ↑1928年以後の病床で書かれたものですが、回想の「二十の軽い心躯」で「大沢坂峠をのぼってゐた」頃――20歳とすれば、ちょうど↓下の短歌群が書かれた 1916年にあたります。

 下の短歌群は、同年7月の地質調査の際に書かれていますが、回想で「石切たちの一むれ」と峠を登ったと云うのは、燧掘山のほうへ行く石工のグループと、峠道でいっしょになったのでしょうか?






 大沢坂峠

 大沢坂の峠も黒くたそがれのそらのなまこの雲にうかびぬ

『歌稿A』#341.



      ※ 大沢坂峠

 大沢坂の
 峠は木々も
 やゝに見えて
 鈍き火雲の
 縞に泛べり

      ※ 同 まひる。

 ふとそらの
 しろきひたひにひらめきて
 青筋すぎぬ
 大沢坂峠。

『歌稿B』#341a342,342.



 上の2つの歌は、夕暮れに麓のほう――鵜飼・大沢方面から峠を見上げているようす。3つめは、おそらく翌日の真昼ですが、峠に登って行くところかもしれません。






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