南湖と大津(2)




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琵琶湖をクジャクに喩えると、鳥の首のように
細長くなっている南端部を「南湖」と言うそうです。

大津と琵琶湖畔での
宮沢賢治の足跡をたどります。







琵琶湖疎水と三井寺
(みいでら)






浜大津駅
に入る京津線の電車



 ↓下の『修学旅行記』では、「大津」に着いて三井寺へ歩いたと書いていますが、当時開通したばかりの京津電気軌道
(現在の京阪電鉄・京津線)は、琵琶湖岸の「浜大津」駅には達しておらず、「札ノ辻」駅が終点でした。大津駅(東海道線の)は、ずっと東にある現在の膳所駅でした。修学旅行の一行は、「札ノ辻」から歩いたはずです。

 「札ノ辻」は、琵琶湖岸に下りて行く坂の途中で、現在、「東横イン」があるあたりですが、三井寺に行くには、「浜大津」よりこちらのほうが近いです。ほんの数百メートルで、三井寺・観音堂の下に出てしまいます。途中で「琵琶湖疎水」を渡ります。






「八時宿を出で京津電車にて大津に向ふ。
〔…〕追分け過ぎて大津に着く。

 歩して数町三井寺に詣づ。長等山園城寺なり、

 石段数十回上りて観音堂あり詣ずる人多し。寺境琵琶湖に臨み景勝の地たり。

 遠く比良三上比叡の諸山を望み近く八景を控ふ。湖面澄碧明鏡の如く往来の帆影手に取るべし。下つて奥院に園城寺の本堂たる金堂を見る。此の辺り古木繁り苔蒸す。他に辨慶の鐘辨慶の汁鍋等見る物多し。

 其れより汽船にて一時間半石山に至る。
〔…〕
(「農学科第二学年修学旅行記」「二十六日(三木敏明執筆)」, in:『校友会会報』,第31号,1916年7月;『新校本全集』14巻・校異篇,pp.21-22.)




琵琶湖疎水
(第一疎水)三井寺附近

両岸の桜がまだツボミなのは残念ですが、
開花したら人がいっぱいで、こんな写真を
撮ってはいられないでしょうw



∇ 関連記事(琵琶湖疎水)⇒:
【キオート(9)】







三井寺・観音堂
 遠景は比良山地

三井寺境内のいちばん高い場所にあります。




三井寺・観音堂
 琵琶湖の展望

ヨットの“帆影”が見えます。







三井寺・金堂

畿内では珍しい茅葺き屋根の金堂。
「弁慶の鐘」鐘楼も近くにある。








「京阪電車三井寺駅から、疎水に沿って山のほうに向かいます。この疎水は琵琶湖の水を京都の用水として利用するために、明治時代に建設されたものです。
〔…〕三井寺の黒い総門から入ります。〔…〕総門から 100m ほどの所に十字路があります。右には本堂や駐車場、左には観音堂がありますがまっすぐ西へ進みます。道の両脇にある諸堂の石積みを観察してみましょう。大小さまざまな石が巧みに組み合わされていますが、どんな種類があるでしょうか。花崗岩、斑岩、チャートが多く、この付近から運ばれてきたようです。」
『滋賀県 地学のガイド(上)』,改訂版,2002,コロナ社,p.86.






三井寺・宝寿院

右の石組みを観察します↓




三井寺・宝寿院
 石組みの接写

花崗岩。やや風化しているので、
石英と長石の大きな斑晶が浮いて
います。黒く見えるのは苔。




三井寺・宝寿院
 石組みの接写

石英斑岩。淡緑色の石基に石英、長石、
角閃石、黒雲母の斑晶。




 このへんから比叡山南斜面にかけて白亜紀の花崗岩が広がっており、その中に、石英斑岩の岩脈が南北に走っています。

 手軽に観察できる石組みの岩石を、賢治も、歩きながら眼にとめたにちがいありません。しかし、この日の“露頭観察”の圧巻は、これから行く石山寺にあります。。。





∇ 関連記事(比叡山の花崗岩)⇒:
【比叡(2)】


∇ つぎの記事⇒:南湖と大津(3)

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