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岩手山(4)




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「西火口原」と御釜湖










地図 岩手山上部



 ふつうに岩手山の“山頂”と言われるのは、東岩手火山の最高点・薬師岳ですが、ここは東岩手火山の外輪山「御鉢」のへりです。

 岩手山は、西岩手火山の頂上部が陥没してカルデラになったあと、その東のへりに東岩手火山が噴出して、現在の山容が形成されました。

 西岩手火山のカルデラ内には中央火口丘があり、その中に、「御釜湖」「御苗代湖」という2つの火口湖があります。中央火口丘の外側の火口原は、湿原と森林になっています。






 


不動平避難小屋 
9合目
宮沢賢治が来ていた当時、夏季は小屋番が居ました。
↓下の詩では、「九合の小屋」と呼んでいます。
現在は無人の避難小屋です。




  月は水銀、後夜
(ごや)の喪主
  火山礫は夜の沈澱
  火口の巨きなえぐりを見ては
  たれもみんな愕くはづだ

   (風としづけさ)

  いま漂着する薬師外輪山
  頂上の石標もある

   (月光は水銀、月光は水銀)

《こんなことはじつにまれです
 向ふの黒い山……つて、それですか
 それはここのつづきです
 ここのつづきの外輪山です
 あすこのてつぺんが絶頂です

     
〔…〕

《じつさいこんなことは稀なのです
 わたくしはもう十何べんも来てゐますが
 こんなにしづかで
 そして暖かなことはなかつたのです
 麓の谷の底よりも
 さつきの九合の小屋よりも
 却つて暖かなくらゐです

『春と修羅・第1集』「東岩手火山」より。



∇ 参考画像(薬師外輪山[御鉢])⇒:
【岩手山(1)】



∇ 本記事はこちら⇒:
〜ゆらぐ蜉蝣文字〜【54】東岩手火山









鬼ヶ城 
“千俵岩”

“鬼ヶ城”は、西岩手火山(カルデラ)の外輪山の一部ですが、
近くに来てはじめて、そう呼ばれる理由がわかりました。
火山岩脈が、まるで城壁のように突き出ています。




西岩手山カルデラ 
“御鉢”から俯瞰。

中央の高くなっているところが中央火口丘。「御釜湖」が
覗いて見えます。その向こうの尖った山が、黒倉山。
左のリッジが、鬼ヶ城。










西岩手山カルデラ内「お花畑」

から東岩手火山を望む。



西岩手山カルデラ西端

から東岩手火山,鬼ヶ城を望む。


「西火口原」。晴れた日には穏やかな風景
ですが、曇って日が翳ると、↓下の賢治短歌に
あるような厳しい相貌を現わします。




      ※

 風さむき岩手のやまにわれらいま校歌をうたふ先生もうたふ。
 
      ※

 いたゞきの焼石を這ふ雲ありてわれらいま立つ西火口原
 
      ※

 石投げなば雨ふるといふうみの面はあまりに青くかなしかりけり。
 
      ※

 泡つぶやく声こそかなしいざ逃げんみづうみの青の見るにたえねば。
 
      ※

 うしろよりにらむものありうしろよりわれらをにらむ青きものあり。

『歌稿B』#75-79.






御釜湖

小さな湖ですが、一種不思議な色をしています。

↑上の短歌 #77-79 は、御釜湖を詠んだもの。
写真ではいまいちわかりませんが、じっさいに
近くで見ると、水面の色も周囲の気配も、
なにか恐ろしいものを感じさせます。
木立に囲まれているため、風も通りません。




御苗代湖

御釜湖からこちらに来ると、ほっとします。
風に水面が波立つようすを見て、
生気を取り戻しました。





∇ 本記事はこちら⇒:
〜ゆらぐ蜉蝣文字〜 3.6.25



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