学業とキャバ嬢の両立

「一人暮らしをすれば親の有難味が分かる」とはよく言われる言葉。

きっと親も期待していただろう。

「すぐに大変さに気付いて泣いて帰ってくる」と。

何てことは無い。

ずっと誰も頼れない環境にいた私が、親に泣き言を言えるわけがない。

むしろ私は肉親と縁を切ろうとしていた。

そんな事とはつゆ知らず。

感づかれないようにと準備が整うまでは普通に生活をしていた。

そのため今や無関心は逆に好都合だった。

東京に来て約一ヶ月後。

学校帰りのある日、眼鏡をかけたスーツ姿の男性に声をかけられた。

黒髪でクセっ毛を生かすように程よく整えている。

サイズの狂いがないスーツをピシっと着こなし、優しい口調で話し始めた。

「お店で働きませんか」

その男性は黒服、キャバクラで働くウェイターだった。

どうやら私をスカウトしたくて声をかけたらしい。

キャバクラと言えばドレスにアクセサリー。

ヘアセットをして、これでもかという具合に着飾る。

ど田舎出身の私にとってチヤホヤされる上にお金に囲まれるなんて夢のような世界。

高級車・タワーマンション・シャンパンタワー。

何で情報を得たのか、キレイな画だけが頭に浮かぶ。

誰もがそんな生活を手に入れられるわけではないが、無知の私は「私もそうなれる」と信じて疑わなかった。

18歳でも問題が無いのならと即答で返事をし、その足で早速お店へ向かう。

店内はまだ開店準備がされており、ネクタイを締めていないボーイさんがチラホラ。

一番手前の席に案内され、私のマネージャーとなる方に給与システムやルールなど一通りの説明を受けた。

未成年が故にもしお酒を頼んだ時は、私のだけ秘密のノンアルコールにしてくれるという事まで気遣って頂いた。

ひとまず、私の気持ち次第で今日にでも体入は可能。

そう言われ、その日は用事があったため初勤務を翌日にした。

昼間は学校で勉強に励み、夜は夜中までキャバクラで働く。

僅かな睡眠時間ですぐにまた学校へ行く。

勘が良い人は容易に検討がつく。

そんな生活を続けるのは無理だと。

予想通りに2ヶ月後、私は学校を辞めることとなる。
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