血の繋がった親との絶縁

東京に来るため、私は最もらしい理由を用意した。

進路先は服飾の専門学校。

母の影響か私は昔からファッションが大好きだった。

そして母はずっと洋裁の仕事をしていた。

母の背中を見て同じ道を歩きたいと言えば、さすがに悪い気はしないだろうと考えた。

「好きなことを仕事にしなくても」と多少の反対はあったが、やはり容易に良い返事を貰えた。

頭は決して良いとは言えないが、何とか推薦で入学。

住むところは普通のマンションではなく、人種が多様なゲストハウス。

一つの建物に世界中から集まってきた人達で何ヶ国語も飛び交う空間。

みんなでテーブルを囲んでディナーと言う魅力的なイベントもある。

都内の相場では家賃もかなり控えめで説得材料として非常に効果的。

いっ時の反対騒動を除けば、東京行きはトントン拍子だった。

最優先されるべきは、とにかく実家を出ること。

色々あり過ぎた結果、何とか地獄から抜け出すという大目的を成し遂げた。

と言いたいところだが、本当はまだ終わっていない。

私の本当の目的は『両親と縁を切ること』だった。

東京にきた今、物理的な距離こそあるが未成年である事に変わりはない。

用意周到に身を隠す必要がある。

その為の知恵とお金と人脈を得ようと上京して休む事なく行動に出た。

育ててくれた親に対して。

何もそこまでしなくても。

徐々に距離を取れば良いのかもしれない。

だけど、もう本当に。

もうこれ以上関わりたくない。

これ以上傷ついたら私は自分を守りきれない。

周りがどう思おうと、どんな手を使ってでも逃げ切る。

これからは私の人生だ。

『私』という大事な存在を、これ以上理不尽な権力には晒せなかった。
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