雨夜の芳香





また、梔子の季節になりました。









遅い帰宅時、雨にもかかわらず、強い芳香が漂っていました。



携帯のライトで、心当たりの生け垣を探す。





いつも葉っぱを虫に喰われてしまい、サツキに埋もれて分かりにくいのですが、闇夜にあざやかな白い花で、すぐに分かりました。





古典文学に親しんでいる方なら、即座にいくつも和歌や文章の一節を想起するのでしょうが、文学作品にはうといワタシ、思い出すのはマンガのシーンばかり。





口無しに掛けて印象的だったのは、岡野玲子版の陰陽師。

赤児の手が廊下にぽとりと落ちている、不気味な話です。





雨柳堂では、クチナシの花の下に埋められた化粧品に宿る、若き日の持ち主の姿。

持ち主はまだ中年で生きており、若き日の想いが、クチナシの強い香りに誘発されて現れるという、コワイというより夢幻的な内容です。











この蠱惑的な薫香が、さまざまに妖艶なイメージを生み出すのかもしれません。





盛りを過ぎると、見事に茶色く萎びて、これもひときわ哀れを誘います。



香りというのは、強く記憶中枢に働き、思い出と結びつきやすいようですね。



今時の、雨上がりの水と土の匂いは、私の幼少期の記憶をくすぐります。



また冬の早朝、ストーブの鉄が熱くなった時の匂い、灯油の香りは、冬の団欒のイメージ。



花の香りは、さらにロマンチックな情景を想起させます。







こうした刹那の美しさ、うつろいやすい色香は、今も昔も人の心情を刺激して止みません。







(^_^)☆






しおり
記事一覧を見る

sabの人気記事

  • 葛の花
    投稿日時:2020-09-11 22:27:53
  • 食べ納め
    投稿日時:2020-09-04 11:50:37
  • 処暑
    投稿日時:2020-08-23 11:09:51

おすすめトピックス

カテゴリーランキング

趣味全般カテゴリーの人気記事ランキング

ピックアップブログ
新着おすすめブログ