白鷺図





毎年出す、夏の掛け軸のひとつ。







白鷺です。









川の浅瀬のようですね。









眼やクチバシの質感が。









足の質感もなかなか。









よく見ると川面に小魚が数匹。



拡大すると胸ビレが赤っぽいというか、黄色っぽい。



若鮎でしょうか。



とすると、季節は初夏。



鮎解禁の6月以降、美味しいのは7月。



梅雨明けの頃に掛けるべき図柄ですね。









読めますか?









クチバシ先の、細長い白っぽいシミが気になります。



ここはもともと雫を飛ばしたようなシミがあり、父が表具替えの際、シミ抜きをしてもらったところ。



修理後は、あまり目立たなかったのですが、5年10年経つと、シミ抜きしたところだけ白く目立つように。









古書画の直しは難しいです。



10年単位の経年劣化を見すえ、100年後の修理に備えて、再修理可能な状態にしておく必要があります。





真偽はともかく、一応円山応挙なので、保存には気をつかう。

でも湿気ジミなど、環境要因でどうしようもない場合もある。



手に負えなくなったら、博物館に寄贈するしかないですね。









私財に普遍的価値が認められれば、それはもう、公的財産。



オレのもんをどうしようと勝手じゃ〜、と言う人にはなかなか届かない考えでしょうけど、寄付がダメなら購入で、というと、より高く買ってくれる海外に売ってしまいがち。



どこの国であろうが、保存され公開されるのであれば良いですが、行方不明とか災害、過失による損壊、というのがもったいない。



しかしながら日本美術の名品を、海外に行かなければ見られない、というのは、ちょっと悲しい状況ですよね。





そのために国宝、重文の指定制度がある(指定品は国の管理下に入り、修理や保管に補助が半額ほど出ますが、その保管や売買には厳しい規制がかかる。もちろん海外売却は禁止)のですが、何より政治家や国民が、その価値を分かっていないと、どうしようもないですよね。







別にこの白鷺に、そんな価値があるとは思いませんが、極端な話、そういうことです。









でもこの世に有るものは、いつか必ず滅びます。



不老不死の技術が現実味を帯びてくると、そこまでする権利が人間にあるのか、と思ってしまいます。





時間は戻せない、生き物は必ず死ぬ。

こうした自然の鉄則を変えてしまえば、それはもう人間のワザではなく、神のワザ。

不老不死の人間なんぞ、フランケンシュタインのような化け物でしかないでしょう。

身体は不死になっても、心はついて行けません。心も老化するのです。







だから、滅びゆく美術品を、どこまで手間と費用をかけて維持すべきなのか、非常に難しい問題なのです。



生きている人間よりも価値のある美術品なぞ無いでしょう。



美術は人が作り出すものですが、人はヒトを作れません。



だから美術や文化に興味のない政治家や官僚たちを、一概に非難はできないです。優先順位がありますから。





でもまあ、その国の文化的成熟度を知る目安にはなりますよね。芸術への理解度は。



何だかんだ言っても、オペラ座の変人首相の方が、今よりもよほど人気はあるでしょう。



古典観劇も立派な芸術趣味。



芸術への理解は、一番政治家に必要な素養のようにも思いますが。

文化的国家としてはね。









(^_^)☆






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