●若返る特殊能力〜3歳児として〜

俺はお母さんに連れられて地元の保育園に入通った。
3歳児は幼稚園では年少組にあたる。
つまり一番下のクラスだ。
じゃあ行ってらっしゃい。
お母さんは笑顔で手を振る。
俺は急に寂しくなって泣いてしまった。
まわりの先生や園児に心配されて席に着いた。
はーい、今日は高校のお兄さんやお姉さんが遊びに来てくれています。
俺は先生のその言葉を聞いて今まで泣いていたのが嘘かのようにワクワクした。
どうぞ!
先生の声で入ってきたのは高校生の時の同級生だった。
その中にはあのユキさんの姿があった。
俺は思わず顔が赤くなった。
なにせ久しぶりの再会で向こうは高校生、俺は幼稚園児だったからだ。
じゃあタカシ君達のグループにはユキさんに入ってもらおうね
先生はそう言った。
一瞬ドキッとしたが、気付くわけはない。
当然である。
今まで高校生だった人間が3歳児になるなどあり得ない話だからだ。
おそらくユキさんの目には皆同じ3歳児に映っているだろう。
それと今日は縦割りで皆の他にも年中さんや年長さんも入ってもらいます。まずは外で運動をしましょうか。お着換えできるかな?
その一言で一斉に着替えが始まった。
皆順調に着替えが進んでいる。
俺はといえば十分にこの身体に慣れていないために着替えに手間取っていた。
すると年長さんの女の子が
はい
そう言って着替えを手伝ってくれた。
あ、・・・ありがと
俺は赤面した。
曲がりなりにも30歳の大人が5歳の子供に着替えを手伝ってもらうなんて。
チエミちゃん偉いぞ〜。
ユキさんはチエミちゃんを褒めた。
チエミね、もう少ししたら小学校に通うの。お姉ちゃんだからしっかりしないとって思ったの。
満足げにそう喋っている彼女を見て
着替えぐらいできるもん。
と5歳相手に怒ってしまった。
チエミちゃんは泣き出して、俺もなぜか泣いてしまった。
こらこら、喧嘩しちゃだめだぞ。
先生とユキさんに止められてその場は終息した。
その後はチエミちゃんも俺も機嫌を直し、外で遊んだ。
泥だらけになるまで遊んだので、昼寝もしっかりできた。
昼寝の後は高校生にプレゼントということで似顔絵を皆で描いて渡した。

帰宅後。
そういえばと思い、俺はユキさんにもらったお守りを見つけた。
学業成就って・・・・
そうつぶやいた。
彼女は高校1年生で俺は3歳児。
彼女は高校で数学や化学、英語などの勉強を頑張っているのに俺は・・・
そう思って幼稚園で勉強したドリルに目をやる。
数字の書き方、迷路・・・・
中学生の同級生も社会、小学生の同級生も算数など難しい勉強をしている。
妙に空しい気持ちになっていると、ユキさんがくれたお守りから紙が落ちてきた。
手に取って読もうとした。
・・・・?なんて書いてあるのだろう?
そこには見たこともない象形文字のような字が書かれていた。
俺はリビングにいるお父さんとお母さんの元に行った。
ねえ、読んで!
と両親に伝えた。
父が
どれどれ・・・・。『タカシ君へ。高校生活はまだまだこれからだけどお互い頑張ろうね。一緒の大学に行けると良いね』だって。お〜、タカシはすごいな。高校生みたいな年上にモテるのか。
そう言って父は笑った。
俺は愕然とした。
そこに書かれていたのは象形文字でも何でもない。普通の日本語だったのだ。
俺・・・どうしたんだろう。
そう思った。
父は
なあ、ヒトミ。見てみろよ。タカシっのやつ・・・・・
そう言って父は台所で夕飯の準備をしている母に目をやった。
ヒトミ・・・・?
母は苦しそうに蹲っていた。
ヒトミ!どうしたんだ!
父と俺は慌てて駆け寄った。
う・・・・生まれる・・・・。
汗をかきながら母はそう言った。
父と俺は慌てて母を車に乗せて近くの病院に向かった。
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