●若返る特殊能力〜高校生として〜

ユウタの家に着いた。
ユウタの家は実家から数キロ離れたところにあり、最近建てたのでとても綺麗だ。
お兄さんはここの部屋を使って下さい。
そう言われて俺はヒトミさんに案内された。
こちらで学校の手続きをしておきました。家から近い高校にしましたよ。
そう言ってパンフレットを渡してきた。
○○高校と書いてあった。
これって・・・・
俺は驚いた。
なにせ昔弟が通っていた高校なのだ。
さすがにこれはちょっと・・・
そう言うと
家から近いですし今は2月です。この高校に通うのはほんの数か月だけですから。
と言われて、数か月だけならということで了承した。

次に弟から今後の流れについて説明があった。
高校、中学、小学校、幼稚園はそれぞれ数か月ほど経験すること。
今後生まれてくる子供の参考にするために学年が下がるごとに通う期間は長くすること。
俺の振る舞いは年相応にすることとして、周りの俺に対する扱いも年相応にすること。
が決まりだそうだ。
振る舞いに関しては、いきなりは難しいだろうからということで本を渡された。

その日の夜は社会人最後の晩餐のような気分だった。
明日からは高校に通う。
お兄さん、大変でしょうけど頑張ってください。
ヒトミさんに励まされ、弟は
知っている先生もいるし、何かあったら俺に聞いてくれ
と言ってくれた。
生まれてくる子供のために頑張ろうと思った。

翌日。
タカシ!
何時だと思っているの?さっさと起きなさい!
昨日までのヒトミさんとは違った表情に驚かされた。
驚いていると、
今日から高校でしょ!
そう言われてはっとした。
ああ、そうか。年相応に扱うんだったな。
そう思いながらリビングに降りた。
早々と食事を済ませて、リュックを持って
いってきまーす。
そう元気に言って自転車に乗った。

高校に到着した。
俺のクラスは1年A組。
10年以上ぶりの高校生活だ。
新鮮とドキドキした気持ちはどこか懐かしい。

タカシと言います!よろしくお願いします!
自己紹介を元気よく済ませた俺は席に着いた。
よろしくね、タカシ君。
隣りの席の子から話しかけられた。
驚いた。
私はユキ。タカシ君は部活とか入る?
え・・・特に決めてない・・・・。
だったら天文部とかどう?人数少なくてさ・・・
おい、ユキ。授業が始まるから静かにしろ!!
先生がユキさんの発言を遮った。
ごめんなさい
皆に謝ったユキさんは今度は小声で
考えといて。
そう言った。

彼女は明るくてクラスでも人気者だった。
彼女のおかげで男女の友人もすぐにできた。
不安だった高校初日はなんとか乗り切れた。

帰宅すると弟や奥さんに高校のことを聞かれた。
高校生活が懐かしく、また新鮮さもあったので無我夢中でしゃべり続けた。
二人とも安堵の表情を浮かべながら聞いてくれた。
そこで俺は
今週末友達が遊びに来たいって言うんだ。いいかな?
と言うと
うん、いいよ。
明るく受け入れてくれた。

当日。
こんにちは!
ユキさんと数人の男子が遊びに来た。
ヒトミさんを見た学生が
お母さん若いな!
そう言った。
もちろん本当の母ではないし、まだヒトミさんは29歳。
彼らの母よりも若い年齢だ。
家では勉強やゲームをした。
ユウタやヒトミさんからすれば家に友達を呼んで遊んだ経験はあるが、子供の友達の対応はしたことはもちろんない。
良い経験になったと二人は言っていた。

それからはたくさんの友達もできて、3月15日。
3年生の卒業式の日だ。
彼ら、彼女らはこれから大学に進むもの、専門学校に進むもの、就職するものと色々だ。
俺のように来月から中学校に行くものなど一人もいない。
卒業式が終わるとユキさんが、
私ね、将来は幼稚園とか保育園で働きたいんだ。タカシ君は?
少し戸惑ったが
俺は・・・まだ決まってないけど人の役に立つことがしたい。
と答えた。
そっか、4月からもよろしく。
ニコリと彼女は笑った。
俺は決心して
明日みんなの前で言うつもりだったんだけど、俺・・・来月から都合で違う学校に通うことになったんだ!
今までに出したことがない大きな声で告白した。
彼女は驚き、
なんでそんな大切なことを今言うの?
そう言って俺を責めた。
・・・ごめん。でも仕方がないんだ。
・・・ひどいよ。
そう言って走り去ってしまった。
複雑な気持ちのまま翌日、クラスにもそのことを報告した。
クラスの皆はやはり驚いた表情だった。
何人かの友人は俺を励ますために残り数週間を遊びに誘ってくれた。
その中にユキさんもいたが、目も合わせてくれない。
たくさん遊び、思い出ができた。
高校生として最後の日。
ねえ。
ユキさんの方から話しかけてきた。
別の学校では部活入るの?
・・・わかんない。
そう答えると
だったら天文部に入ったら良いよ。タカシ君いくら誘っても入ってくれなかったけど、夏や冬は星がきれいだから。
そういう彼女の表情は一生忘れないだろう。
それとこれ・・・・
そう言って彼女は俺にお守りを渡した。
学業成就のお守りだった。
勉強頑張ろうね。
今までにない笑顔で彼女はそう言った。
こうして僕の高校生活は終わった。

家に帰り、さっそく中学生のサイズの服を着て身体に馴染ませる。
数時間後には体に馴染んだ。
身長も150cmになった。
明日から中学生を頑張ろう、そう思って眠りについた。
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